地区の紹介
【高津川を中心に発展したのどかな農村地帯】
池河地区は島根県西端の津和野町の北部に位置し、清流高津川とその支流に広がる農村集落です。ため池による水田農業を基軸とする池村地区と河川沿いに立地しており古くからその水を上手く暮らしに取り入れることで発展してきた河村地区の2つの地区によって構成されています。
米作りのほか、かつては高津川の水を利用した製糸業が発展し、近隣に中国地方唯一の製糸工業「石西社」があったことから、1960年頃まで養蚕業も盛んでした。
また、地区内には道の駅「シルクウェイにちはら」があり、施設内の親水公園では旅の途中の休憩だけでなく、釣りや川遊び、冬には野鳥観察ができ、四季を通じた高津川の魅力を様々な角度から感じることができます。
そのほかにも、大元神社跡に立つ樹齢約400年を超えるクスノキは、県の天然記念物でありこの地域のランドマークとして大切にされています。
活動のきっかけ
「池河地域まちづくり委員会」は5自治会で構成され、少子高齢化が進む中、今後の生活環境の維持保全が課題となっています。課題解決のため、委員会が取りまとめ役となり、「地域環境美化」、「交通安全」、「防災防犯」の事業において最大限の努力で取り組んでいます。共通する基本理念は「我が集落は住民全員の団結と協力で守る」。豊かで人情味あふれる環境を、次世代につなげていきたいと考えています。
活動紹介
菜の花やレンゲで荒廃農地を美しく保全しながら地域の住環境を守る
農家の高齢化や不在地主の増加による耕作放棄地の増加が課題となっています。集落総出での草刈り作業も高齢化により難しくなってきたので、乗用型草刈機を導入するなど、大幅な作業の効率化を図っています。整備された土地で試験的に菜の花やレンゲを栽培した結果、春先の雑草対策と環境美化につながりました。今ある課題を負の遺産として次世代に渡さないよう、こうした改善活動を続けていこうと考えています。
災害の記憶を忘れないための地域の防災力強化
この地域では古くから、高津川やその支流による水害に何度も遭ってきました。これまでの災害を教訓にするため、過去の災害状況をパネル展にして開催するなど、改めて住民への注意喚起をすることで防災力の強化に取り組んでいます。また、防災倉庫の設置や防災備品の調達をするほか、防災リーダー養成研修にも参加し、将来的には地域の防災組織を構築することを目指しています。
今後の目標
地域環境美化事業で耕作放棄地に菜の花を栽培することで、菜の花を前景にJ Rの列車を撮影する「撮り鉄」の姿が多く見られました。今後、撮影スポットとしてさらに地域が盛り上がり、関係人口の拡大につながればと思います。連作障害により、この取組が無くなることがないよう、花をレンゲに替えるなどの工夫をしながら、地域の住環境の美化と維持保全に努めたいと考えています。
まちのひとの声
荒れた土地をきれいに整備して菜の花を植えていただき、助かるだけでなく菜の花がきれいに咲いていて、気分も明るくなりました。
主要推進組織 | 池河地域まちづくり委員会 |
---|---|